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記 事

シミの見分け方と対策について

主なシミの原因とメカニズム


シミ・そばかすの原因は1つではなく、主に以下の4つの要因が複合的に絡み合っていると考えられます。


●メラニンの過剰生成



紫外線を浴び続けると、「メラノサイト」という色素形成細胞が、メラニンと呼ばれる黒い色素を作ります。これは、過剰な光を吸収して紫外線の悪影響が体内に及ばないよう防御しようとするものです。日焼けをして肌が黒くなるのはこの働きによるもの。日焼けをするとメラニンが多く生成されて肌は黒くなりますが、健康な肌状態であれば肌の生まれ変わりとともにメラニンを含む古い角層が垢となって排出され、元の肌色に戻ります。一方、何らかの原因によって過剰に生成されたメラニンが排出されないとシミやそばかすとなって肌表面に残ってしまいます。


●肌の酸化

紫外線を浴びると、体内で活性酸素が発生し肌を酸化させてしまいます。酸化は肌の中のいろいろな細胞や物質にダメージを与え、シミ・そばかすだけでなく、シワ・たるみなど肌の老化を促す要因にも。


●ターンオーバーの乱れ

肌は古い角層が剥がれ落ち、新しい細胞へと生まれ変わるターンオーバーを一定の周期で繰り返しています。正常なサイクルであれば、シミができたとしても古い角層とともに排出されます。

日常生活においても、お手入れ不足や寝不足、ストレス、ホルモンバランスなどによるサイクルの乱れにより、肌の生まれ変わりが滞って、肌内部にシミが停滞したり、角層が重層化してくすんで見えたりします。

また、紫外線をたっぷり浴びた肌は、メラニンが過剰に生成されるだけでなく、紫外線ダメージを受けた肌を守ろうとするため、ターンオーバーが早期化することもあります。その場合、うるおいを抱えきれない未熟な細胞が形成され、乾燥不足状態に。その結果、透明感が失われくすみ印象の原因になってしまいます。


●血行不良

顔中に張り巡らされている毛細血管は、肌に栄養を運ぶと同時に、メラニンなどの老廃物を排出する働きをしています。運動不足や冷えなどによって血行不良になると、出来てしまったメラニンがスムーズに排出されずに蓄積し、シミやくすみを引き起こす原因となってしまいます。

シミ・そばかすを予防する為には、この4つの原因を意識してスキンケアアイテムを選んだり生活習慣を改善する事が大切です。



シミには大きく4つに分ける事が出来ます。それぞれに特徴があり、自分で簡単に見分ける事が出来るシミもあれば、判断が難しく専門医の診断が必要なシミもあります。シミの種類を見分ける事の必要性は、シミの種類によってシミのセルフケアや治療の方法が変わるからです。
以下に4つのシミの種類と見分け方について詳しく説明します。


①肝斑

肝斑は30~40歳代の女性によく見られるシミです。多くは両頬あたりに左右対称に現れますが、シミの大きさ・形などは左右全く同じとは限りませんし、位置も少し違うこともあります。また、口の周りや額あたりに見られるケースもあります。

肝斑ができる原因は日焼けでできるシミとは違い、紫外線だけでなく女性ホルモンのバランスが関与することが分かっています。妊娠すると急に現れだすシミの一つとして、肝斑が考えられます。肝斑は2種類の女性ホルモンのうち、プロゲステロン(黄体ホルモン)が深く関わっていると考えられています。黄体ホルモンは妊娠を継続するために重要な働きをするホルモンであり、妊娠時に肝斑が良く出来るのは、黄体ホルモンの分泌が増えるためと考えられています。反対に更年期に入ると女性ホルモンが減少する為、肝斑は薄くなってくると言われています。

肝斑が出来る場所の多くは、頬骨に沿って広がったシミです。シミの境界がはっきりせず、ほんやりと広がったシミが左右対称に存在します。形は蝶々のような形をしていたり、筆でシュッと書いたような形をしていたり様々です。また、頬骨だけではなく、ひどい場合には顔全体に広がる事もあります。


②老人性色素斑(日光黒子)

老人性色素斑はシミの輪郭がはっきりとして、表面が平らなシミです。中年以降で頻発しますが、20代で発症する事もあります。老人性色素斑の発症原因は主に紫外線である事から、紫外線を浴びた場所に現れます。シミの大きさは小さな物は数㎜、大きい物だと5㎝くらいにもなります。老人性色素斑は紫外線に長期間さらされる顔に多く現れ、60代になるとかなりの確率で発症すると言われています。

老人性色素斑は後に脂漏性角化症へ移行する事があります。脂漏性角化症は、老人性色素斑の表面が次第に隆起したもので、良性腫瘍の一つです。老人性色素斑や脂漏性角化症は、悪性腫瘍である悪性黒色腫(メラノーマ)との判別が困難な場合があるので、正確な判別は専門医を受診しましょう。

老人性色素斑が出来る場所は顔に限らず、紫外線を良く浴びている場所、例えば手の甲や腕などにも出来ます。



③雀卵斑(そばかす)

そばかすは雀卵斑(じゃくらんはん)とも呼ばれ、主に顔で良く見られる米粒大の小さな茶色の斑点の事を言います。スズメの卵の殻の模様に似ている事から、雀卵斑という名がつけられています。そばかすは遺伝的な要因が強く、家族にもそばかすがある人がいます。そばかすは幼児期からみられ、思春期に濃くなり、その後個人差はありますが徐々に目立たなくなっていきます。

そばかすのほとんどは遺伝によると言われていますが、紫外線の強い時期にはそばかすが濃くなるので、紫外線対策は必要です。そばかすが出来る場所は、顔だけではなく肩から腕や手、背中などにも出来ます。


④炎症後色素沈着

炎症後色素沈着とは、皮膚が炎症を起こした後に起きる色素沈着の事を言います。炎症後にシミが出来る理由は、炎症が引き金となりメラノサイトが刺激され、メラニンを生成するからです。炎症後色素沈着が出来るのは、蚊などの虫に刺された場所やニキビなど皮膚が炎症を起こした場所です。

その他、継続的な摩擦や炎症などでも炎症後色素沈着が起こります。例えばナイロンタオルやボディブラシなどで肌を強くこする習慣がある場合やアトピー性皮膚炎などです。炎症後色素沈着を改善する為には、まず炎症を鎮めなくてはなりません。炎症がある間はメラニン色素が作り続けられるからです。



【外側からのケア】シミ・そばかすを防ぐ薬用化粧品の成分&使い方

シミやそばかすを予防ケアするならスキンケアは外せません。とはいえ、「美白」と謳っているスキンケアアイテムってたくさんあって一体どれが良いのか分からない...と思う人も多いのでは?

そこで注目したいのが「美白有効成分」です。

ここからは、「美白有効成分」の特長をご紹介します。

<美白有効成分について>

① m-トラネキサム酸

シミ部位の慢性微弱炎症状態に作用。メラニンを生成する細胞メラノサイトの活性化を抑制する効果や肌荒れを防ぐ効果があります。

② 4MSK

シミができる肌特有の状態を防ぎ、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)の乱れを整えて、溜まったメラニンを排出する効果があります。

③ アルブチン

メラニン生成に不可欠な酵素「チロシナーゼ」の働きを阻害し、過剰なメラニンの生成を抑えてシミ・そばかすを防ぐ効果があります。

④ 安定型ビタミンC誘導体

メラニンを淡色化する作用を持つビタミンCをもとに作られた化合物でメラニンの生成を遅らせる作用があります。

⑤ ビタミンCエチル

ビタミンCの効果を十分に引き出す美白有効成分。角層深くじわじわ浸透して長く効果を発揮します。

このように「美白有効成分」には様々な種類があります。成分表示をチェックして美白化粧品選びの参考にしてみてください。

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